❅·̩͙13 ページ13
誰にも言えない秘密があった。
それは生涯、誰にも言わないと決めた秘密でもあった。
私が一人暮らしである理由。
零してしまいたくなった。
「帰るね、遅くまでごめん。ごはんごちそうさまでした」
佐「帰っちゃうの?泊まればいーのに!俺お話し足りないよお」
岩「こら、女の子をそんな簡単に泊めない」
深「……すいません」
ラ「ごめんねアホめめが!誘ったくせに寝るなんてありえない、
男としてどうなのって怒っとくからまた来てね?」
どこまでも強いな、この1年生。
宮「Aちゃん。好きな食べ物は?」
「…えーっと、たらこパスタ」
『ガキかよ』
宮「可愛らしいね笑 今度作るよ」
なんか今聞こえた気がしますけど。
まあいいや、ほっとこう。
「向井くん。お邪魔してごめんね、帰るね」
向「A先輩は大丈夫でした。
…また来てくれたらその時は、お話したいです」
「ほんと?よかった笑
向井くんがそう言ってくれるならまた来ようかな」
向「…待ってますわ」
よかった、嫌われなかったみたい。
また来ようなんて本気では思っていないけど、
来てもいいって言ってくれるのは嬉しい。
『送ってく。阿部ちゃんヘルメット貸してやって』
阿「はーい、勝手に持ってって」
エレベーターにまた渡辺と一緒に乗り込んで
9階から1階へ移動。
私的にはマンションの前でさようならでもいいのだが
ヘルメットを貸してくれるということは
文字通り送ってくれるんだろう。
大きいバイクが沢山並んでいる。
確か大型二輪以外は16で取れるから…1年のラウールでも大丈夫か。
緑のバイクにかかっていたヘルメットを取って私に投げる。
よく見ると全部ネックレスにある色と同じ色のバイクだった。
てことは渡辺は青。
その通り、青のバイクに跨ってヘルメットを被っていた。
下の紐で少し大きさを調整して、人生初のバイクに乗る。
あれだけ知らない奴に家知られたくないとか啖呵切って
結局数日後に送ってもらってるって思うと気まずいが。
『捕まっとかないと落ちんぞ』
「し、失礼します」
『もっとぎゅってして』
こう!と前から腕が伸びてきて抱きつく形に。
高校になってまともに男子に触れていない私には刺激が強い。
『行くぞ、って家知らねぇな。まぁドライブがてら教えて』
夜風を切る、寒くて暖かいドライブが始まる。
572人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hrr - おもしろくて一気読みしました!続き楽しみにしています! (4月10日 14時) (レス) id: 5934ce0412 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カジャ | 作成日時:2024年3月20日 19時