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「実は今日、月末業務でちょっと立て込んでまして…」
忙しいんですけどアピールしてみるも、
「…そっか」
あ、わかってくれました?
「邪魔ならんようするから、入れてもらえんやろか」
全然帰らないじゃん…
ていうか、問題なのは忙しいとかそういうんじゃなくて、TETSUYAが不在な今、康二とこの建物に2人きりになってしまうという事であって…緊張するんじゃ!
「ダメ?」
もう、ダメだってば/// 甘えるの反則です!
「わかりました…どうぞ」
結局負けました。
「お邪魔します〜」
カメラを首から下げ、なんか変なステップしてる。
「ふふっ…」
ほんとに、いつでもどこでも向井康二なんだなぁと思ったら笑いが込み上げてきた。
ーーーーー
「私、2Fで作業してるので。なんもお構いできませんけど好きなようにしてください。何かあれば呼んでください」
そう言って2Fに上がった。
ーーーーー
とりあえず、先ずはご飯を食べようとコンビニ袋をテーブルに置き、鞄からはスープジャーを取り出す。
味噌汁だけは家で作って持ってきている。
「ランチタイムなんやね〜」
いつのまにか康二が隣に座ってて
「ブハッ…」
吹きそうになる。
「そっか〜今お昼どきなんやね」
Aの手元にあるおにぎりをチラ見してくるから
「良かったら食べます…?」
カオマンガイおにぎりをおすすめしてみた。
「ええの?カオマンガイおにぎりやん!これ大好きや〜」
"大好き"に思わず反応してしまう。
別にAに言ったんじゃないのにね…
「なぁ、それって何入ってんの?」
今度はスープジャーを指差して
「お味噌汁、家で作って持ってきてるんです」
「え、ひとくち飲んでもええ?」
こっちが返事しないうちに勝手にフタを開けて飲んでるし。
「あ、ちょっと!」
「……めっちゃうまいや〜ん」
今日は豆腐とワカメだったっけ…
「マジでうまいわ」
「…………///」
なんかもう、しんどい。心臓がもたん。
なんで向井康二と2人きりでお昼ご飯食べてるんだか…
心臓がヤバいくらいに脈打ってる感じ。
ていうか、これひょっとしてひょっとするとTETSUYAの策略なんじゃないのか…?
もしそうだったら嬉しい反面、キュンのが勝って心臓がマジでもたん…
Aの様子がおかしいのに気づいた康二。
「あ、なんかごめんな?俺っていつもこんなやから」
そこがいいんだけどね。
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作者名:ミズ | 作成日時:2024年3月24日 19時