内緒で付き合ってます

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｢はぁ…｣



菜月｢どうしたのA、
珍しくため息なんかついちゃって。｣




｢ん〜今日も疲れたな〜って笑｣





菜月｢今日の収録長かったもんね。｣






仕事の帰り道。
なっちゃんが運転する車で自宅まで向かう。
今日の収録は…上手くいかなかった。
どうしても井上さんが気になってしまって、、

あの全身を舐めまわすように見てくる目が本当に
気持ちが悪い…。



もう、いっその事アイドルをやめて
芸能界を引退してしまおうか。





そう思ってしまい、先日行為の際に態と
ゴムを付けなかった。
拓也くんとの子供を授かったらそのまま引退して
拓也くんと私と子供の3人で過ごす…
そうしたら井上さんにも二度と関わらなくて済むはず。






．





井上｢おはようAちゃん｣





｢…おはようございます｣




なんで今日もいるの、今日のプロデューサーさんは
井上さんじゃないはず…





井上｢僕の後輩が今日の番組担当なんだ。
後輩の番組をチェックするのも先輩の仕事だからね。
ところで今日の夜は空いてるでしょ？｣






｢…空いていません｣




今日も我慢だ…と思っていた矢先、井上さんが隣に来て
コソッと耳元で呟いた。





井上｢……江口拓也｣







｢っ！｣





井上｢ダメじゃんAちゃん、彼と同棲してちゃ｣







｢な、んで…｣




震えが止まらない。
私たちはお互いのためにバレないように絶対2人で
一緒に外は歩かないし、家を出入りするときも30分、
間を空けるようにしている。なんなら外デートもしていないのに。…なのに、なんで。





井上｢僕はキミのことが好きだからね。
キミのことならなんでも知っているよ？
それにしても酷いな〜
僕がこんなにもアピールしているのに
ただ背が高いだけが取り柄のひょろっとした男と
一緒に住んでいるなんて。｣






｢なにがしたいの……｣






井上｢僕はキミが本当に好きで付き合いたいんだ。
付き合ってくれたら江口拓也との関係を絶対誰にも言わないし危害も加えない。でも僕のこと突き放したら篠原Aは江口拓也と同棲中って誰かに言っちゃうかもな〜。江口くんに声優の仕事なくなったらAちゃんのせいだね、可哀想に。｣






｢…っ、｣







井上｢僕は待てる男だからよーく考えて答え教えてね？｣






じゃ、おつかれ〜と手を振りながら去っていく井上さんの姿を見てその場に崩れ落ちた。

…どうして、どうしてこうなったの。








．

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