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「…何か頼む?」



思ったより冷静だった。
メニューを開いて適当に注文して。



「あはっ まさかだよね〜」



これ以上場の空気を気まずくさせたくなくて、明るく開き直ることにした。



ユイ「…だから男見る目ないって言ったじゃん」

サキ「次行きましょ!次!」

菊「奇遇なことに今俺ら合コン中なのよ」

田「ツイてんね〜Aちゃん」

森「あれ?グラス空っぽじゃない?」



飲め飲め〜!って煽られて、勧められるがままグラスを空けた。
そうでもしてないと考えちゃうから。


.



田「大丈夫?」

「…たぶん、」



樹くんに支えて貰わないと立ってられない時点で、大丈夫ではないんだろうけど。
お開きになってお店の外に出ると、ひんやりした風が火照った頬を撫でて気持ち良い。
春とは言え、まだ夜は少し冷える。



ユイ「二次会行く?」

「私はいい…」

森「Aちゃんの歌聴きたかった〜」

サキ「また今度ですね!」

菊「じゃー俺ら先行ってっから。」

田「あいよー」



あれ…樹くん行かないのかな。
あ、私のせいか。早くタクシー呼ばなきゃ。
だけど、携帯を開いたら…



田「…見なくていいよ」



樹くんの手が私の目元を覆う。
さっき、飲んでる時にピコンって画面を照らしたメッセージの通知。

『仕事が終わりそうになくて今日は泊まり込みかも』
『先に寝てていいから』

…嘘つき。



「…ごめん、樹くん!
私ちゃんと帰れるから!みんなのとこ戻って?」

田「でも…」



…チャラそうに見えて、優しいから。
下心とか無く、ベロベロの私を置いて行けなくて困ってるんだって分かってる。
だけど、もう…



「お願い…樹くん。1人になりたい…」

田「……分かった。その代わり家着いたら絶対連絡して。」

「ありがとう」



そーっと私から離れた樹くん。
ドミノを倒さないようにするみたいに。
夜風にあたったらさっきより少し酔いが冷めた。
…1人で立てるよ。大丈夫。
心配そうな樹くんに手を振ると、フラフラしていない私を見て樹くんも大丈夫だと判断したのかカラオケの方向へ歩いて行った。

えっと…タクシー乗り場は、



「っ…」



…もう。限界なんてとっくに越えていた。

魔法が解けたみたいに溢れて止まらない涙。
電柱の影にズルズルとしゃがみ込んだ。
…彼との思い出が頭を埋め尽くすの。
どうして…楽しくて綺麗なとこしか思い出せないの?
苦しい。痛い。誰か、



佐「迎えに行くって言ったじゃん」

「さっくん…」

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あむ(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!暖かいお言葉嬉しいです^ ^更新がんばります! (3月27日 13時) (レス) @page34 id: 3fabfc8fab (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お話の流れと展開が好きです (3月26日 21時) (レス) @page36 id: 5ebabfabca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あむ | 作成日時:2024年3月18日 23時

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